利上げの先を知る方法

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1.利上げの先を知る方法。

できるだけ先を読みたい我々はまた、FOMCの先を行きたいと考えます。

そこでWSJ(ウォールストリートジャーナル)のFEDウォッチャーで、FRBを担当する記者ニック・ティミラオス氏という方がいます。彼の記事は鋭い洞察力で、今まで予想を言い当ててきました。

FRBはそれとなくFEDウォッチャーに記事を書かせることで、市場の反応をテストします。たとえば「FRB高官は、利上げは年内までで必要ないと考えている……」というような観測記事です。

FRBは政策金利の上げ下げ、連邦公開市場委員会(FOMC)声明文、FOMC後の記者会見などを通じて市場参加者と対話します。しかしそれだけでは対話の機会が限られています。
そういうとき、未だ未確定のことをちょっとFEDウォッチャーに書かせることで、市場の様子を伺いをすると言われています。

その彼が、米利上げが来年初めに停止する可能性があると報じました。さらに「(利上げの最終地点)が想定よりも高くなる可能性」を示唆しました。その

以前は2023年の政策金利のピークは4.5~4.75%であるとの見通しが示され、「大幅な利上げはおおむね年内で一巡するとの見通し」である。とされていました(出典:野村総合研究所 2022年9月22日)

しかしニック氏は、週末に「FRBのターミナルレートが想定よりも高くなる可能性」とタカ派記事を出しました。

そして11月2日の連邦公開市場委員会(FOMC)が4会合連続の0.75ポイント利上げを決めた後の記者会見で、パウエル議長は「前回会合以降に入手したデータは、金利の最終的な水準が従来の想定より高くなることを示唆している」と語りました!

その瞬間、株価は爆下げです!!すごいです!ニック氏!まるで予言者です!

ニック氏はツイッターで発言しています!米国株をしている人は、彼をフォローして、発言を注視することは必然だと思います!!

Nick Timiraos (@NickTimiraos) on X
Chief economics correspondent, The Wall Street Journal • Author, "Trillion Dollar Triage”

2.ニックティミラオス氏の最新記事とインフレ率

そしてこれがニック氏の最新記事です。

2022年11月12日のミシガン大学による消費者予備調査では、12か月先の予想インフレ率は中央値に合わせて、11月のインフレ期待率が5.0%から4.9%に下方修正されたことが書かれています。5年後の長期的なインフレ予想は3%です。

ミシガン大学期待インフレ率とは、ミシガン大学が期待インフレ率というのを調査しており、消費者が1年先の商品やサービスがどのくらい上昇しそうかについて消費者にアンケートを行い、推定値を発表しているものです。

この期待インフレ率が高いということは、消費者が、今後、物やサービスが上昇する可能性が高いと考えているということになります。たとえ0.1%ですが、前回より下がったということは、消費者が少しずつ物価が下がっていくと考え出したのだと思います。

3.これらを踏まえた私の考え

日本人は物価が上がると旅行をやめたり、商品を買い控えますが、アメリカでは物価が上がる前に先に物を買っておこうという方が多いと聞きます。高いインフレでもこれからますます物の値段が上がると考え、購買力が強いとインフレがなかなか下がらないと思います。日本でも来年から「消費税が上がる!」と言われたら値上がりする前に買っておこう!と住宅や車のかけこみ需要が増加しますが、その傾向が日本よりアメリカでは強いのだと思います。そのため、消費者が来年から少しずつ物価が下がっていると考え出したことは、商品やサービスを買い控えることにつながり、購買力が低下し、インフレが抑えられると考えます。

日銀のインフレターゲットというのがあり、物価上昇率は2%が理想と言われています。日本ではデフレが続いており、物価上昇はなかったのですが、2022年4月に7年ぶりに2.5%をつけ、その後も上昇し、9月に3.0%をつけました。しかし現在のアメリカのインフレ率が7.7%です。2022年6月にアメリカのインフレ率は9.1%、イギリスでは7月に10.1%の非常に高いインフレでした!

前回話したように、株価と金利はシーソーの関係にあり、政策金利が上がれば、企業は積極的に設備投資等が出来なくなり、株価は下がります。そしてFRBが金利のレートを調整するのは、このインフレ率を参考に決定されます。アメリカでは先月の8.2%から7.7%で少し減少していますが、これから少しずつ物価が下がるように思います。今後、適正なインフレ率となり、政策金利も上げる必要がなく低下することで、株価も2022年から2023年にかけて少しずつ回復してくれることを期待しています!

・・・・ しかし私は2022年から2023年にかけて一旦株価は上がると思いますが、それから株価は再び下がると予想しています。どこまで下がるか、どれだけ下がるかは分からないですが・・・。その理由ですが、次回にお伝えします。

次回、逆イールドとリセッション(景気後退)について;近日公開。

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